隣のキケンな王子様!


「……見つかったの、王子様が」



うつむいたあたしは、小さく声を出した。



「お酒飲んじゃって。道端でうずくまってたら助けてくれて。それが偶然、あの時の王子様で……」


「……」


「送ってもらったの」


「……」


「やっと、会えたんだ」



ずっと黙ったままの郁己くんだったけど、



「ホントなのかよ、それ」



低い声が落ちてきて、あたしは顔を上げた。



< 261 / 458 >

この作品をシェア

pagetop