隣のキケンな王子様!
「そんな出来すぎた話、信じてここまで連れてきたのか? バカじゃねーの、あんた」
「……は?」
「ちゃんと確かめもしねーで。王子だって名乗り出れば誰でもいいのかよ」
「なっ……」
ひどい。
王子様は……ちゃんとあたしのこと覚えていてくれたのに。
誰でもいいなんて……それは郁己くんのほうじゃん。
どうして……たった一人の王子様をみつけたあたしが、そんなこと言われなきゃならないの?