隣のキケンな王子様!
立ち上がったあたしは、ベランダの窓を開けた。
「いつも指にはめてたんです。でも洗濯物を取り込んでたら、下の茂みに落ちちゃって。探しても見つからなくて……」
「あ~、確かに。これじゃ見つからないかもね」
隣に並んだ王子様は、雑草地帯をのぞき込んで納得の顔をしている。
「だから、もう……会えないかもって思ってました」
「でも、こうして会えたしね」
「はいっ、ホントに信じられなくて。まだ震えてて……」
指先をこすり合わせると、
「オレも嬉しいよ」
その手を、きゅっと握られて。
――ドキン、と高鳴った心音とほぼ同時に、
あたしの唇は、柔らかい感触でふさがれていた。