隣のキケンな王子様!
どうしよう。
……キスしちゃった。
あたし、王子様と……キスしちゃったんだ。
「そ、そうだ、コーヒー、お代わりいれてきます」
気持ちを静めるために向かったキッチンで、あたしは深呼吸を繰り返した。
「どうぞ……」
「ありがとう」
再び並んで座った床の上。
ベランダから入り込んでくる風が、首筋にかいた汗を撫でてくる。
唇に残っている感触が、むずむずして、恥ずかしくて。
王子様の顔を、まともに見ることができない。