隣のキケンな王子様!
ねめつけるような視線を向けられて、あたしのカラダは再び強張った。
……確かに……バカなのはあたしだ。
この人は、そんなあたしに合わせただけ。
返す言葉なんて……ない。
「続き、他の場所でしよーか」
立ち上がった男の人の足が近付いてきた。
肩がびくっと持ちあがったけれど、震えるカラダは動かない。
「……い……や……」
空気が漏れたような声しか出せないあたしの前に、
「……ざけんなよ」
郁己くんの広い背中が盾になった。