隣のキケンな王子様!
「肌荒れひどいなぁ。その様子じゃ何にも食べてないでしょ?」
ひとしきり涙を流し終えたあたしの顔をのぞき込んだ亜矢子は、しょうがないなぁって感じに笑った。
「泣いたから余計にひどいし。なんて言うか、すごいヘンな顔になってる」
「……ひどい」
「ぶ」
唇をとがらせたあたしが小さくにらむと、
「夕飯でも作ってあげようかなぁって思ったんだけどね、ほら、あたし料理下手だからさ。おにぎり買ってきたの。あたしもまだ食べてないから一緒に食べない?」
「……ありがと」
「それ食べて、話したくなったら話してね。てか、聞かないうちは帰らないから」
受け取った焼き肉入りのおにぎりを見たら、胸のしこりが柔らかくなっていくのを感じた。