隣のキケンな王子様!
「食欲ない人に買ってくる具材じゃないよね、これ」
「あたしが食べたかったんだもん」
亜矢子らしいや。
そう思いながらかじるおにぎりは、今のあたしにはボリューム有り過ぎだけど、優しい味がした。
「亜矢子、」
「うん?」
「ありがとう」
「うん」
「そして……ごめん」
「……うん」
「あたしね、嫉妬してたんだ、亜矢子に」
上手くいかない自分の日常にイライラして。
心から心配してくれる大切な友達を突き放して。
なんて……自分勝手だったんだろう。