隣のキケンな王子様!
*指輪の真実
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「大丈夫? 落ち着いた?」
「……うん」
亜矢子が差し出してくれた冷たいタオルを受け取って、あたしは小声でうなずいた。
泣きはらしたまぶたは、ぱんぱんで、重い。
「早いとこ冷やさないと、明日はもっとヒドイ顔になるから」
「……その言葉がヒドイから」
「あたし、今日は泊まっていくから。ダメって言ってもそうするからね」
わざと明るく言ってくれてる気持ちがうれしい。
亜矢子だって、赤い目をしてるのに。