隣のキケンな王子様!
「死んだみたいに眠ってたよ」
「うん。ちょっとすっきりした」
「目の腫れも少し引いたね」
「ホント? よかった」
床にあぐらをかいて髪をふいていた亜矢子は、
「なんかさ、この部屋空気悪い」
鼻をくんくんしながら、しぶい顔をしている。
「うそ? クサい?」
「いや、そうじゃなくて、なんかどよ~んとしてる」
確かに。
2日分の負の空気がたまってるかも。
「窓開けていい?」
「うん」
立ち上がってベランダの窓を開けた亜矢子は、
「げっ。なにこれ」
足元を見下ろしながら、素っ頓狂な声をあげた。