隣のキケンな王子様!


「死んだみたいに眠ってたよ」


「うん。ちょっとすっきりした」


「目の腫れも少し引いたね」


「ホント? よかった」



床にあぐらをかいて髪をふいていた亜矢子は、



「なんかさ、この部屋空気悪い」



鼻をくんくんしながら、しぶい顔をしている。



「うそ? クサい?」


「いや、そうじゃなくて、なんかどよ~んとしてる」



確かに。


2日分の負の空気がたまってるかも。



「窓開けていい?」


「うん」



立ち上がってベランダの窓を開けた亜矢子は、



「げっ。なにこれ」



足元を見下ろしながら、素っ頓狂な声をあげた。



< 319 / 458 >

この作品をシェア

pagetop