隣のキケンな王子様!
「仕事帰りにね、久しぶりに寄ってみたの。
あの子、こっちから連絡しないと電話もメールも寄越さないからさ。
そしたらさ、風邪ひいて寝込んでてね、郁己。
看病ついでに夜までいることにしたんだけど、歩いてきたから汗だくで。
シャワー借りて、服借りて、部屋でぼーっとしてるうちにあたしまで眠っちゃってさ。
気づいたら終電ギリギリでびっくりしたー」
あははと笑ったお姉さんは、思い出したように、
「そういえばあの時、いや~な雰囲気だったけど、何かあったの? 王子とか意味不明なことも言ってたよね?」
眉根を寄せて聞いてきた。