隣のキケンな王子様!


「仕事帰りにね、久しぶりに寄ってみたの。


あの子、こっちから連絡しないと電話もメールも寄越さないからさ。


そしたらさ、風邪ひいて寝込んでてね、郁己。


看病ついでに夜までいることにしたんだけど、歩いてきたから汗だくで。


シャワー借りて、服借りて、部屋でぼーっとしてるうちにあたしまで眠っちゃってさ。


気づいたら終電ギリギリでびっくりしたー」



あははと笑ったお姉さんは、思い出したように、



「そういえばあの時、いや~な雰囲気だったけど、何かあったの? 王子とか意味不明なことも言ってたよね?」



眉根を寄せて聞いてきた。



< 331 / 458 >

この作品をシェア

pagetop