隣のキケンな王子様!


「向井由梨ちゃん、だったよね?」


「は、はい……」


「そっかぁ。うんうん。そっかー」


「あ、あの……意味が……」


「覚えてない? あたしのこと。って、無理か。あたしだってやっと今気づいたんだもんね」


「???」



お姉さんの言っていることが、まるでわからない。



「何年前になるんだろ。あたしが8歳の時だから……14年前か」


「14年、前?」



覚えのある数字に、指先がわずかに反応した。



「お隣同士だったんだよ、あたしたち」





…………え……?



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