隣のキケンな王子様!


「お父さんの仕事の都合でさ、引っ越すことになってね、あたしん家。


あ、その指輪ね、あたしのだったの。


引っ越してしばらくしてからなくなってることに気づいてさ、聞いたらお隣の女の子にあげたって」




目を細めて笑うお姉さんを前にして、だけどあたしは、もちろん笑うことも懐かしむことも出来なかった。



胸の内側が、どくんどくんと波を打って。



頭の中は、合点さえいっていない。



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