隣のキケンな王子様!
*……清算?
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「ひとりで平気? やっぱりあたしも一緒に行こうか?」
「大丈夫です。部屋の鍵も、あたしがもらってきます」
「ホントに大丈夫? 迷ったりしない?」
「うん、大丈夫」
心配する亜矢子とお姉さんに笑顔を返して、あたしは玄関を出た。
お姉さんに書いてもらったユキヤくんのアパートまでの地図を持って。
郁己くんに、会いに行くために。
夜の空には、まばらな星が散らばっている。
頼りない光を見上げながら、あたしは、わざとゆっくり歩いた。
気持ちを、落ち着かせようとして。