隣のキケンな王子様!


だけど、


ゆるい風が吹いてきて、あたしの顔を撫でたとき、自分が泣いていることに気づいた。



……なんて、最低なことを言ったんだろう。



思えばあたし、郁己くんには驚かされっぱなしだったけど、


花火に連れていってもらったり、


ベッドに寝かせてもらったり、


雷の夜にそばにいてもらったり、


振り回されながらも、助けてもらってたのに。



あの夜だって、あたしの声を聞きつけて、すぐに助けに来てくれたのに……



“郁己くんになんて……会わなければよかった”



なんて、ココロ無い言葉を投げつけたんだろう。




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