隣のキケンな王子様!
「あ……。カギは、あたしがもらってくるって言って、場所を教えてもらったの」
「……何でわざわざ」
「郁己くんに……お礼が言いたくて。あと、謝りたくて……」
「……何を?」
「……聞いたんだ、お姉さんに」
郁己くんの眉間に、しわが寄った。
「……郁己くん。ちょっと、話……できる?」
泣きそうになりながら見つめると、
「……通りに出るか」
ユキヤくんを置いて靴をはいた郁己くんは、
あたしの手をひいて、誰もいない道路に向かった。