隣のキケンな王子様!
「……大丈夫? 郁己くん」
オレの指を気にしつつ、心配げなまなざしを向けてくる。
「大丈夫って? てか、なんでオレ、ここにいんの?」
「覚えてないの? 倒れたんだよ、道路で」
「……マジで?」
「ユキヤくんがね、おんぶして運んでくれたんだ。自分の部屋のほうが落ち着くだろうって。
熱出てるの、分かんなかったの? 風邪治ってないのに……2日間、無理してたんでしょ?」
「ああ……それで暑かったのか。どうりで頭も痛いわけだ」
ひっぱたかれたせいでそう感じてるんだと思ってたわ、てっきり。