隣のキケンな王子様!
「どーしよう……」
しゃがんで、浴衣のすそを情けなくいじっていると、
「驚かせたおわびだから」
そう言って、あたしの腕をむんずと捕まえたその人は、
「き、きゃーーっ!」
叫ぶあたしにお構いなし。
「明日花火大会なんだろ?」
「い、いいですからっ。自分でやってみますからっ」
「遠慮すんなって」
「遠慮とかじゃないですぅっ!」
――ズルズル……。
非常口から引っ張り出されたあたしの体は、
5秒後にはお隣に……その人の部屋に連れ込まれていた。