隣のキケンな王子様!
「うーん、何人かな。1、2……3、」
「……もう、いいです」
親指から順番に握り込まれていく指を見て、あたしは呆れて返事を制した。
せっかくキレイな指なのに。
持ち主がこんなにいい加減な人だなんて。
もったいない。
「じゃあ……あたし、帰りますから」
男の人からパパッと離れたあたしは、枕の下敷きになっていた浴衣を拾い上げたんだけど。
「痛っ」
右手の中指がズキンと痛んで、思わずしゃがみ込んだ。