隣のキケンな王子様!
「あ、あたし急ぐからこれでっ」
「まだ余裕あるじゃん。始まるまで」
「早めに待ち合わせてるの。花火大会ってすごく混雑するでしょ……って、なんで着いてくるの?」
「コンビニに行くって言ったじゃん」
「あ、そうか」
浴衣を着ている足は、小走りしても思うように進まない。
下駄にも慣れていないから、なんだか不安定で。
階段……危ないなぁなんて思っていたんだけど、予感的中。
「あっ」
半分まで降りたところでつま先が引っ掛かった。
「わっ、わっ、わっ」