隣のキケンな王子様!
両手を回して、なんとかバランスを取ろうとしたけどダメだった。
反動で手にしていたバッグが、ぽーんっと飛んでいって。
ぐらり。前のめりに倒れそうになった体。
(--落ちるっ……!)
ぎゅっと目を閉じて、そう思った時。
「っと!」
後ろから伸びてきた力強い腕に、間一髪のところで引き戻された。
「あっぶねー」
「ひゃ、わ、わ、わ……」
「おい。もう手振り回すなって。勢いで落ちるぞ」
「わわわっ」
「大丈夫だから。ほら」