離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす

 コーヒーを持って、リビングに行く。変な気分だ。今まで、リビングで一緒になる時は晩酌とリバーシが目的だった。だけど今は、お酒ではなく食後のコーヒー。晩酌だからという理由が無くなり、無条件に一緒にいる時間になりはじめている。


「明日は、約束してたあれが食べたい」
「あれって……ああ、袋煮?」


 以前、居酒屋で作って欲しいと言われたやつだ。


「仕事の後で作るのが面倒だったら、週末でもいい」
「……そうですね」


 少し考えてから答える。


「週末、土曜日で」


 和也さんのこの調子だと、この土日も私とずっと一緒に過ごすために何くれとなく誘われる気がした。それなら、この約束を実行してしまえばいい。


「滝沢さんも呼びましょう、約束してましたしね」


 ふたりきり予防策をとることにした。きっと渋るだろうなと予想はしているけれど、拒絶はしないだろうと思った。

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