離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす

「毎週帰っては来るけど、ちょっとお疲れ気味で可哀想、かな」
「早々に単身赴任なんて……もしかして、退職したかったんじゃ」


 人手不足は随分解消されているはずだ。けれど、事務方で頼りにし過ぎていた部分はあるかもしれない。もしかして、言い出しにくかったのだろうか。
 申しわけなさに慌てて尋ねた。いくらなんでも、新婚から別居は辛い。今からできる限り早い対応は、と一瞬頭を掠めたけれど。


「いえいえ。話し合った結果、もう少し続けることになって。あちらが帰ってくるのが遅くなるようなら退職になるけど、今はまだ。子供はどっちみちまだ先って思ってたしね」


 佐伯さんは笑いながら首を振ってくれて、少しほっとした。


「じゃあ、まだまだラブラブ?」
「結婚一年目なんてみんなそんなもんでしょ。いずみさんとこの三年目もまだ新婚のうちだと思うけど」
「うん、まあ、そうなんだけど」


 世間的にはそうなるのかと改めて気づく。寧ろ気持ちは今からスタートさせたいあちらとびっくりしている私とでちぐはぐしているところなのだが。

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