離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす
その溢れんばかりの気持ちは一体どこに? ふたりとも私が大学に入ったと同時に、まるで肩の荷が下りたとでもいうようにあっさりと離婚した。
多分、この漠然とした不安はきっとその辺りから来ているような気がする。考える度に胸の奥が澱んで、重苦しい感覚になりそこから逃げるように考えるのを止めるのだ。
眉をしかめたまま、しばし考えこむ私を、佐伯さんはじっと観察していたようだ。
「ああ、変わっていくのが怖いってこと、かな」
その言葉に、彼女に目を向ける。
「確かに、変わらないものはないと思うけど。どう変わっていくかも試さずに、最初から何ももたないよりは、良かったんじゃないのかな。少なくとも、私は今のいずみさん、可愛いと思う」