離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす
――今夜は、じゃなくて、今夜も、なんだけど。
今日は、近ごろでは久々の会食の予定で別々の帰宅になるはずだったが。
「……買い物して帰りたいです」
私もちょっとだけ、秘書の仮面を取った。
「スーパー?」
「はい。何が食べたいです?」
会食や付き合いがないときは彼の分の食事も作る。その流れがいつしか当たり前になって、私もそれを抵抗なく受け入れていた。
「俺の好みばかり作ってないで、今日はいずみの好みで」
「そうですか? じゃあ……」
何にしようかな。考えていたその時、和也さんのスマホの着信音がした。プライベートの方だ。
和也さんがスマホの画面を見て、ぴくっと眉間に皺を寄せる。それだけで、相手が誰なのかわかるようになった。
近頃、頻繁にある。幼馴染からの連絡のようだ。