離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす

 和也さんには別々に外食で、と言ったものの。自分はそんな気にもなれず、ひとりで食べるなら家でありあわせで作ろうかと考えていた。


「瀬名は多分、彼女からしばらく解放されそうにないし。麻耶ちゃんにも困ったもんだなあ」


 呆れたような声でそう聞いて、ほんのちょっと安心する。つまり和也さんも彼女に困惑していると、滝沢さんの目から見ても明らかだということだろう。


「でも、さっき久々に俺も会ったんだけど、ちょっとやつれてたから。結婚に悩んでるのは本当なんだろうな」
「そうなんですか」
「ああ、会社戻ってすぐ、瀬名と一緒に俺も様子見に行ったから」


 見てわかるほどやつれているなら、放っておくことは出来ないだろうな。説教しろと言ったのも、ちょっと酷かったかもしれない。
 そう考えて後悔をして、それからさっきからずっと振り回されている自分にどっと疲れが出た。

 後悔したり、自分は間違ってないと思いなおしたり。ブレブレの自分がとても嫌だ。

 
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