離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす

「強引でしたけど……言ったじゃないですか」
「何を?」
「……って、言いました」


 すきって言いました。恥ずかしいので小さな声で呟いた。が、この距離だから当然聞こえているはずだ。それなのに。


「ん? 何?」


 ちゅっと肌の上を啄んで、キスは徐々に移動する。耳にたどり着いて唇で弄びながら、彼は囁く。


「聞こえなかった」
「嘘ですよ」
「もう一度。聞きたい」


 調子に乗り始めた手が、私の身体を撫でながら甘えるようなキスを続ける。
 仕方ない。今日不安にさせてしまったのは、私の方だから。この償いは、今日のうちにしておかなければ。
 彼の首に両腕を絡ませて抱き着いて、お返しとばかりに今度は私が彼の耳元に唇を寄せる。


「……愛してます。旦那様」


 びくっと震えた大きな身体。抱きしめる力が強くなる彼の腕が、どうしようもなく愛おしい。たとえ何が変わっても、この気持ちだけは失くさずにいたい、永遠に。

END


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