離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす
 息苦しさに喘ぐと、キスは頬や耳へと逸れていった。この二日間、何かにつけてこうしてキスして触れられて、私の身体は感じやすくなったまま中々戻れない。


「……あ。ん」


 啄むような優しいキスを耳の縁に繰り返される。その度、ぴくんと小さく震えてしまう私が、和也さんはお気に入りらしい。


「……かわいい」


 うっとりとした目で、何度も言われた。二日間で何度も聞いた。それから、じっくりと耳朶から首筋に唇を這わせていく。開いた唇の間から舌を出して、肌を舐めながら時々吸い付いて……。

 教えられた流れが自然と思い出されて、身体が期待してしまう。心臓が高鳴るのを、どうにも止められない。
 そんな様子に気が付いた彼が、私の頬に手を当てて熱の孕んだ目で見つめてきた。


「いずみが、こんなに色っぽい顔をするなんて知らなかった。三年が本当に、もったいない」


 もっと早くに知りたかったと囁きながら、和也さんはやっぱりいつものように私の首筋に唇を寄せた。

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