離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす
 蜜月とはよく言うけれど。和也さんは、がっつり休みをとったこの一週間を本当に夫婦の時間にすべて費やすつもりのようだ。
 あれから食事もろくに作らせてもらえなくて、デリバリーに頼ったり私が寝ている間に和也さんが作ってくれたりしている。

 ちょっと待って。夫婦の時間っていったって色々あるでしょうよ。

 そう思い本来の「夫婦の時間」を取り戻さなければと、いつもみたいにゲームをしたいと訴えたのだがまったく無駄に終わった。

 これはもう、諦めてこの一週間はこのテンションでいくべきなのか。最初のちょっと恥ずかしいような照れるような、そんな感情はもはや薄れた。和也さんに抱きしめられて過ごす時間は、ただただ蜜のように甘くとろりとした温かい空間に沈み込んでいく感覚がある。

 ――なんだか、頭が、馬鹿になってしまいそう。


「いずみ、考え事?」
「あぁっ」


 首筋にいきなり歯を立てられた。痛くはないけれど、散々舐められた後の濡れた肌を歯が滑ると、ぞくぞくとして腰に甘い痺れが残る。
 それから、お仕置きとばかりに強く長く肌に吸い付かれ、しっかりと痕を残されてしまった。

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