離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす

 仕事に出かける準備をして、部屋を出ると和也さんがすでにダイニングテーブルでコーヒーを飲んでいた。


「おはよう。大丈夫か?」


 眉間に皺を寄せて、ずきずきと痛む頭を手で押さえている私を見て、二日酔いだとすぐにわかったらしい。


「おはようございます……大丈夫です」


 酔いは冷めてる。口臭もお酒の匂いはしていないはずだけれど、念のため出勤途中で口臭ケアのタブレットでも買おう。
 とりあえず、何か口に入れなければと思っていると、和也さんが立ち上がり冷蔵庫からヨーグルトを持ってきてくれた。
 私が二日酔いの時に好んで食べる、アロエヨーグルトだ。それと、無塩のトマトジュース。


「……もしかして、買ってきてくれたんですか?」


 昨日は、どちらも冷蔵庫になかったはずだ。

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