離婚予定日、極上社長は契約妻を甘く堕とす

「え、そんな驚くことですか? さすがに長く一緒に居たし、快適でしたし」


 まあ、一緒に居たといっても共有した時間は少ないけれど。


「ああ、そういう……」
「私だって情くらいありますー、なんですか人を薄情者みたいに」


 じろりと横目で睨んだら、すまなそうに眉を八の字にして片手を上げた。


「いやあ、瀬名にそよとも靡かない子は少ないから」
「太っちゃえばいいんじゃないですかって昔言ったことあるんですけど、ものすごーく嫌な顔されました」


 確か一年目の頃くらいだったか?
 思い出話をしたら、滝沢さんはカウンターを叩いて爆笑してくれた。酔うにはまだ早いのじゃないだろうか。

 
 外で飲むと、酔ってきた時に帰るのが辛くなる。気持ちよく酔って、ころんとベッドに横になれる宅飲みが一番いい。

 食事をしながら飲んで話をして、ほろ酔いになってきた頃にバッグから微かな振動音がするのに気が付いた。
 短く終わったから、おそらくメッセージだとスマホに手を伸ばす。時間は八時を過ぎたところ。メッセージの表示を見れば、和也さんからだった。

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