暴君陛下の愛したメイドⅠ《修正版》
アイツは否定しているが、恐らく―――…
「余程、その女性を愛しているのだな。実はあの頃のままじゃったら…と、余は心配していたのじゃよ」
「……アイツは未だに否定していますが、あの女性と出会ってだいぶ変わりました」
悪い方では無く、良い方に。
今まで避けていた外交も行う様になったし、気遣いも………まぁあの女性限定ではあるが、するようになった。
死んだ様な目で血に染まった剣を握っていたあの頃のアイツからは、想像もつかない事だ。
「くれぐれも、あの女性を逃すのでは無いぞ。若造にとってあの女性は必要な存在じゃ」
「肝に銘じます」
リードには早く自覚して欲しいものだが、あの様子では恐らく当分先になりそうだ……。