暴君陛下の愛したメイドⅠ《修正版》

「…客室メイドだったわたくし共が妃付きのメイドになれたのは、貴女様のご厚意あっての事。その様に望まれるのであれば、わたくし共はそれに従います」

「サニー…」

私が妃になるにあたり、妃専属のメイドを付ける必要があると陛下から伝えられた。

教養を身に着けた上級メイドを側に置く事は、妃自身の立場や品格を示し、城内で過ごす妃にとってはその選択一つで今後が大きく変わるとも言われている。

その為、メイド選びはとても重要なのだけど…


『今の者達を私のメイドとして、引き続き付けて下さいませんか?』

私は、彼女達を選んだ。

いずれ妃では無くなるので、そこまで気にする必要が無いのもあるけど、

やはり知っている信頼出来る者達を側に置くのが一番だと思ったから。

それに、彼女達にはその素質が十分ある。

この間のパーティーで客室メイド以上の実力があると知ってからは、何だか勿体無い気がしていたので、ある意味良いタイミングだった。

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