暴君陛下の愛したメイドⅠ《修正版》
入って来たのは見慣れたメイドで、私を見るなり驚いたような表情をした。
「お妃様…?」
何故、サニーがこんなところにいるのか。
元々、客室部のメイドだから可笑しくないのかもしれないけれど、それよりも眠れていないのか目の下のクマが気になった。
……と言うか、私の顔を見てお妃様って言ったよね?
もしかして、バレたとか??
ドキドキしながらサニーを見つめると、
「…あ、違いますよね。知ってる方に似ていた気がして…いきなり申し訳ありませんでした」
バレていなかったようで、サニーはそう言うと軽く頭を下げた。
「…お妃様に仕えていた方ですよね?」
「はい…。ここへ来たらアニ様に会える気がしたのですが、そんな訳ないですよね」
まぁ…一応間違ってはいない。
だって、サニーの前にいるのがそのアニだから。
「アニ様は一体どちらへ行ってしまったのか。自らの意思で立ち去ったのなら仕方ありませんが、元気にされてるといいのですが…」
そう言って、目に涙を浮かばせる。
まさか、ここまでサニー達に辛い思いをさせているなんて思っていなかった。
私が居なくなっても、それぞれ今まで通りの生活に戻るのだと考えてた。