暴君陛下の愛したメイドⅠ《修正版》
「掃除の邪魔をしてすいませんでした」
「あ、いえ…ちょうど終わってたので気にしないで下さい。それよりも…」
先程よりも顔色が悪い。
真っ青で今にも倒れてしまいそうな……。
そう思った瞬間、サニーの体が傾く。
手を伸ばそうにも間に合わず、サニーはそのまま地面へ倒れた。
「サニー!!熱い…」
額は熱く、恐らく四十度はありそうだ。
サニー達は私を探し回っていたと聞いたから、無理したのかもしれない。
「はぁ…はぁ…」
苦しそうなサニー。
早く誰か呼ばないと…。
いや、呼んだとしても治療は受けられない。
メイドの身分では皇宮医は使えないし、民間の医者を呼ぼうにもここはお城だ。
陛下ならきっと許可を下さると思うけど、それに行くまでにきっと落とされてしまう。
「どうしよう…」
私の力を使うという手もあるけれど、まだ完全に回復した訳ではない。
リリアンの時と比べて状態が軽いから、そこまで負担はないはずだけど……。