暴君陛下の愛したメイドⅠ《修正版》
もし、力が尽きてまた深く眠ってしまったらと思うと少し怖くなる。
けど、苦しそうなサニーをこのまま放っておく事も私には出来ない。
「少しだけ…なら」
流石に全部を治そうとすると力を使いすぎてしまうので、少しだけ治すイメージで力を調節してみよう。
それなら使っても倒れないし、疑われる心配もないはず。
サニーだって少しは楽になるし。
「…よし!」
深呼吸をすると、サニーの額にそっと手をかざす。
緑色の小さな光が徐々にサニーの顔色を良くしていく。
そろそろだと思い、力を止めて額に触れてみると…。
「良かった…。丁度いい感じだ」
熱すぎず、低すぎず。
微熱よりも少し高いぐらいになっていた。
これなら薬を飲んで一日休めば、完全に回復するだろう。
このまま地面に寝かせておくのも可哀想なので、他の部屋にいたメイドに声をかけると、医務室へと連れて行った。