暴君陛下の愛したメイドⅠ《修正版》
「アニーナ、大丈夫?顔色が悪いけど」
「大丈…夫」
体調が悪化したのかフラフラする。
こんなところで意識を手放したくないのに、私の意志とは関係なく視界は徐々に狭まってくる。
あ……だめ…。
バタッ。
「アニーナ…!?ねぇ、ちょっと!!誰か!!!」
地面の冷たい感触。
そして、遠くの方でアイルさんの焦った声が聞こえてくる。
気にさせたくなくて我慢していたのに…結局は迷惑をかけてしまった。
そう言えば、アイルさんとは違う誰かの声も聞こえた気がしたけれど、
思い出すよりも前に私の視界は暗闇に包まれていった――――…。