暴君陛下の愛したメイドⅠ《修正版》
「そのシミは洗濯部に任せるといい」
「…はい。その…お詳しいのですね?」
自分から聞いておいて何だが、帝国に血液の成分を調べる程の技術はない。
医療技術ならそれなりに発展しているが、血液中に含まれる成分を分析する技術はまだ無く、必要な場合は他国に依頼して行っていると聞いていたけど…。
「あぁ、私の祖父から聞いたんだよ。研究者だったみたいで、各国を渡り歩いていたみたいだ。私はただそれを伝えただけさ。私が洗濯部に指示を出しておくから、君は違う仕事に移りなさい」
「はい。ありがとうございます」
男性に頭を下げると、私は掃除用具を手に持って次の仕事へと移動した。