暴君陛下の愛したメイドⅠ《修正版》

「そのシミは洗濯部に任せるといい」

「…はい。その…お詳しいのですね?」

自分から聞いておいて何だが、帝国に血液の成分を調べる程の技術はない。

医療技術ならそれなりに発展しているが、血液中に含まれる成分を分析する技術はまだ無く、必要な場合は他国に依頼して行っていると聞いていたけど…。

「あぁ、私の祖父から聞いたんだよ。研究者だったみたいで、各国を渡り歩いていたみたいだ。私はただそれを伝えただけさ。私が洗濯部に指示を出しておくから、君は違う仕事に移りなさい」

「はい。ありがとうございます」

男性に頭を下げると、私は掃除用具を手に持って次の仕事へと移動した。


< 8 / 178 >

この作品をシェア

pagetop