暴君陛下の愛したメイドⅠ《修正版》
服はここで、ウイッグはー……。
誰の目にも触れられない場所に保管するとなると、クローゼットの奥が最適だろう。
眼鏡は誰かに見られても困るものではないので、机の引き出しにしまい込んだ。
荷物を全て片付けると、ロウソクの灯を消す。
どのくらいの時間が経過したのか分からないが、そろそろ部屋へ戻らないと、抜け出した事が知られたら大変な事になるかもしれない。
そう思って急いだが、やはり部屋の周りには誰の姿もなく。
幸い抜け出した事が知られる事も騒がれる事もなかった。
以外と夜は警備が緩いのね。けど、これだったら……。
簡単に部屋から抜け出す事が出来る。
例えそれが夜だけであっても、自由に城の中を回れる事は、今の私にとってかなり嬉しい事だった。
…アイルさんが困らないように、クッキーの作り置きをしておかなきゃね。
ベッドの中で目を閉じると、自然と眠りへ落ちていった。