【完】Dimples 幼馴染のキミと僕

その仕草に少しだけドキリとした。小さい頃は食べ物をシェアするなんて当たり前だったけれど、冷静に考えてみたらこれって間接キスよね。

そう考えてみると途端に恥ずかしくなってきた。子供の頃から何度も繰り返した行為だったはずなのに、何故かむず痒い。

「うわ、これ抹茶じゃん。メロンかと思ったら」

「返してよ!」

「何だよッ。菫が食べてみればって言ったんじゃね~かよッ!」

少しだけ照れくさい。なんて潤を前にして言える訳ない。

そんな量ひとりで食べきれるのかよ、と潤は呆れ顔だったけれど、私は七段のソフトクリームをぺろりと食べきってしまった。

こう見えて、結構大食いなのよ。それに今日はとても暑いわ。こんなよく晴れた日にソフトクリームは格別なのよ。

そしてそれを食べ切った後、クレープも食べたいと言った私に潤は驚いていた。

「ねぇーあの人かっこいいね」

「モデルさんかなー?手足長いー。見て、あの服素敵だね~」

クレープを待っている行列に並んでいると、近くにいた女子高生たちがこちらをちらちらと見て小声で話すのが聞こえる。

隣で涼しい顔をして並ぶ潤を見上げる。

そうか…今まで意識をしてみる事はなかったけれど、確かに潤って少し王子様のような容姿をしているのよね。


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