【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
1.潤□幼馴染は切ない□
1.潤□幼馴染は切ない□
「潤の好みって統一されているよな」
それは小学校からの友達である阿久津 俊哉が言った一言から始まった。
「ん?」
「この間手ぇ出そうとした美麗ちゃんだかいう子もだけどさ。お前はあの手の女に弱いよな」
「そうかな~。あぁ~俊哉に言われて美麗ちゃんの事を思い出しちゃったよ~。
本当に可愛かったなぁ~久々にヒットした子だったのに~。」
その言葉に俊哉は呆れた顔をしてため息を漏らした。
彼は俺の事をよく知っている。もしかしたら自分以上に理解しているのかもしれない。
小学校から専門学校まで共に過ごし、今も俺の父の会社であるS.A.Kに就職し一緒に働いているのだ。腐れ縁という奴だろうか。
ガタイが良く男らしくてちょっと熊さんみたいな奴で、心は広くて優しい人間である。
「中学の時の彼女も高校の時の彼女も専門時も…全部あんな感じだったじゃん。
ふわりとして清楚系で髪が長くて綿あめみたいな女」
「綿あめって」
俊哉の言葉に思わず吹き出す。
そうか。そうだっけか。思い返して見れば、そうだった気がしなくともないんだが、勿論無意識に選んでいる訳で
特に自分では好みが統一しているとは思っていない。
俊哉はパソコンを弄りながら、こちらへ顔を向けた。 やっぱ色黒で男らしいけれど目だけが真ん丸で可愛くて、熊さんのような男だ。