【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
奈々さんと飯田さんはいつも互いを貶し合っているが、実はとても仲が良い。
こんな人たちに囲まれて撮影をしている訳だから、現場はいつも笑いが絶えず雰囲気が良い。
S.A.Kの社員であり、広報担当の吉澤さんもそのひとりですかさずにその会話に入って来る。
「何潤が彼女の弁当だって?」
「よっし~聞いて~すご~く美味しそうなお弁当なんだよ~」
「お前ッ。俺に黙っていつの間に彼女なんて作ってやがる。
大体合コンの話はどうなった?俺はお前から紹介してもらえる女の子待ちなんだからな。」
「吉澤さんまで…彼女じゃないって。」
「何?!彼女ではないだとッ?!生意気に彼女でもない女にお弁当を作ってもらうとはますます生意気な奴ッ。
大体神様は不公平だよなー。S.A.Kの跡取り息子だけでは飽き足らずにモデルまでこなして…潤ばかりモテやがる。
お前は本当に恵まれ過ぎだッ!俺にも少しは分けろ!」
「やだ、よっしー。男の僻みはかっこ悪いぞ」
奈々さんの言葉に、飯田さんはウンウンと頷く。
それでも吉澤さんは’合コンがぁ~!’と騒いでいた。
「落ちついて吉澤さん。合コンは約束通り開催する。色々と落ち着いたら。港区に住んでるモデル連中を集めて、それなら納得でしょう?」