【完】Dimples 幼馴染のキミと僕

そうだな、ティーン向けのの洋服モデルであれば奈々ちゃんでもありだろう。

けれど、今度出す新作は奈々ちゃんでは大人っぽすぎるだろう。契約を結んだ筈が突如ドタキャンをしたモデル事務所の女の子は、結構有名なモデルさんだった。

これから事務所が売り出していくであろう長身のどちらかといえば美人なタイプだった。

代わりは中々上手くいかないだろう。



と、そこまで思いピンときた。

大人っぽくてスタイルも良くって、どんな服でも着こなせてしまいそうな女性。…ひとりだけ心当たりがある。

「吉澤さん、良い子がいるかもしれません」

「マジで?!どこの事務所?!紹介してよ。ほんと…困り切っててさぁー…」

「事務所とかは入ってないんですけど…」

モデルの仕事を終えて、そのまま帰宅したのは夕方。会社のデスクワークはまだ残っていたが、それは自宅ですれば問題なし。

と、いうことで帰りにスーパーに寄って、ハンバーグの材料を買った。ついでにデザートコーナーでプリンも購入。機嫌取りのつもりだった。

先程の現場での話を菫に持ち掛けたとして、すんなりOKを出すとは思えなかった。

それどころか嫌な顔をするに違いない。小さな抵抗の為の機嫌取りが無駄な事くらい自分でも分かっていた。


仕事を終えて17時過ぎに帰ってきた菫は、既に出来上がっていたチーズハンバーグとサラダを見て目を輝かせ子供みたいに喜んだ。菫の色とりどりの健康弁当も確かに美味しかったが、俺も中々料理の腕には自信がある。

元々何かを作るのが苦になるタイプではない。


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