【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
「今潤と暮らしてるんだって?」
「まぁね、でも俊哉が思っているような感じではないから。
居候というか…行く当てがないから居座らせてもらっているようなもん」
「またまたぁ~。菫がそんな事言ったらあいつは悲しんじゃうよ。
何て言っても潤は昔っから菫に惚れてるからな」
「なッ惚れてる?!」
何を言っているの?まさか潤が私を好きな筈がない。
私達に幼馴染以上の関係は無い。
けれど突然の俊哉の言葉に体温が上がっているのを感じた。
皆の輪から大きく手をあげて、潤が私の名前を呼ぶ。
途端に鼓動が高鳴って行くのを感じた。まさかこの私が潤を男として意識するなんてありえないわ。
俊哉が変な事を言うせいよ?潤だって私なんて女として意識をしている筈がない。そうだったのならば一緒に暮らしたり出来るはずないもの。
こちらへ駆け寄って来たかと思えば、私の手を取ってその輪の中に入って行く。
紹介されたのは、今回撮影に関わるスタッフたちだった。
「えぇー?!マジで美人じゃんッ。スタイルも超いいし。キャンセルになったモデル事務所のモデルより全然イメージに近いんですけど!
潤こんな綺麗な子が幼馴染とかお前に今本気で殺意が沸いたわ。
あ、こんにちは。菫ちゃん。今日は撮影協力ありがとうございます。俺はS.A.Kの広報担当の吉澤と言います。よっしーって呼んでね!」
「よ、よろしくお願いします。
篠崎菫と申します。モデルなんてした事がないのでご迷惑をかけると思いますが何卒よろしくお願いいたします」