【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
「妄想って、マジでウケるなぁー。菫は。」
「随分と天然なお嬢さんな事だ。
このラブラブツーショットが都内の大画面に映るとなるとワクワクするんだが」
ラブラブショット?都内の大画面?首を傾げながら飯田さんに向かい不思議な顔をすると、潤は申し訳なさそうな顔をした。
そして驚くべき事実を知る事になる。
俊哉と広報担当の吉澤さんがこちらへやって来る。
俊哉…まだ居てくれたんだ。今日は仕事じゃないのに、こんな時間まで付き合ってくれるなんて感動する。…私の為じゃないかもしれないが。
「菫。お前ってすげーな。小学校の時から何でもこなす奴だとは思ってたけど、モデルまでやってのけるとはな」
「そんな事ないよ。それより私ちゃんと出来てた?変じゃなかった?」
「全然すっげーかっこよかったよー。ついつい見惚れちゃったもんな。ねー、よっしー?」
吉澤さんは物凄くニコニコしていて、ぎゅっと私の両手を握る。それを見た潤が素っ頓狂なこえを上げる。
「だから触るなってー!」
「菫ちゃんありがとう!正直予定していたモデル事務所の子より出来がよくって嬉しいんだけど。
これが新店オープンする時都内の大画面に映るとなると大興奮するよッ」
吉澤さんの手は少しだけ汗ばんでいた。強く握りしめて、中々離してくれなさそうだ。
「あの都内の大画面って、何の話ですか?」
「宣伝もかねて渋谷のビルのビジョンに広告を打つんだ。
いやーあんな大画面で菫ちゃんと潤のラブラブショットが日本中に映し出されるなんて、俺ちょっと嫉妬しちゃうよ」