【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
何故かまた会いたいと言われてしまった。
だからこそ私と結婚してまでも他の女と付き合いたいと思っている男はごめんだ、とはっきり言ってやったのに…
大倉さんが望むような結婚生活を私は送れない、と告げたはずが…。
彼は私の希望を配慮する、と言った。私が望むのならば他の女性とは遊ばないと言って、諦めるのがもったいなくなった。と言う。そんな彼に困り果ててしまった。
その時冷静に考えてしまったのだ。私はいつまでも潤にお世話になる事は出来ない。潤には潤の生活があって、もしかしたら彼女が出来る日が来るかもしれない。そうなってしまえば今の生活は歪で、迷惑をかけてしまうだろう。
いつまでもお父さんから逃げ続ける事は出来ない。
結局は自由に飛び立ったつもりでいても、騙している事に間違いはない。いつかは向き合わないといけない日は来る。その時に初めて私は自由になれるのだから。
父の決めた相手と結婚するのは今になって非常に不愉快だとハッキリ分かる。
けれどもしも大倉さんが言葉通り私の理想の人になってくれるのだとしたら、その結婚は大いにありなのではないだろうか。
彼は今度私の趣味に付き合いたいと言ってくれた。自分が何もかも決めるだけじゃなくて、菫さんのしたい事を一緒にして、もしもその時間があなたにとって楽しいものであったのならば、俺と付き合うのもありなのではないか、と言った。
最もかもしれない。何度も言うが彼は私のタイプの容姿ではあるのだ。もしかしたら一緒に過ごすうちに恋が芽生えるかもしれない。
だけどその話を潤にしたら、怒ってしまった。私の話を無視して、自室にこもってしまった。