【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
ソファーに座り込みふたりで映画鑑賞をする。子供の頃に見ていたアニメ版とは少し違う。
けれど音楽と映像が素晴らしいのは変りがない。潤と何度も繰り返し見たアニメ。実写で見るとより一層ロマンチックになった気がする。
「やぱり私はアラジンの音楽が好きよ」
「ホールニューワールドは名曲だな」
「美女と野獣も好きだったけど、やっぱりアラジンなのよ」
壮大な世界で描かれるラブストーリー。僕を信じてというアラジンが、ジャスミンの手を取るのは名シーンだ。
そして魔法の絨毯に乗って、空を駆け回るのだ。王宮で生活していた王女様は自由な世界を夢見ていた。
「潤はアラジンでもあるけどジーニーでもあるのね」
その言葉に潤はこちらを見て、大きな目を見開いた。
「ジーニーは魔法のランプで、アラジンの願いを叶えてくれた。
潤も私の願いを叶えてくれたじゃない。ひとつめは家から連れ出してくれた事。ふたつめは好きな服を着て好きな場所に連れて行ってくれた。
だから私にとって潤はアラジンというよりかはジーニーに近いんだと思う」
「俺…魔人かよ…。」
それには納得していなかったようだが、そういう存在なのよ私にとっての潤と言うのは。
王子様でもあったし、魔法使いでもある。それってすごい事じゃないの。