【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
「潤は中学時代から家に連れて来る彼女は全員綺麗な人だった…」

「そんな……」

そんな事ない。とは言い切れない。俊哉が言う通り俺の歴代彼女は綺麗で可愛い人が多いのは事実だ。そしてその全員がどことなく菫に雰囲気が似ているというのも、紛れもない事実だ。

菫はベッドの上で足をぶらぶらとさせて、唇を尖らせた。怒っているというよりかは拗ねている感じだ。

「私それを見る度にいつも寂しかった。
いつも窓から仲良さそうに自転車で二人乗りをする潤と彼女を見ていた…。
毎日のように来ていた彼女が突然来なくなったら別れたのかな?と思って見れば、また直ぐに違う女の子を連れて来てて…。
その女の子たちっていうのが私とは全然違う女の子らしくて可愛らしい雰囲気の子たちばかりだったから、悲しかったわ」

なんつー可愛い事を。

思わずベッドに座る菫を抱きしめたくなる。けれど抱きしめたらそのまま押し倒してしまいそうだった。

つーか一緒に寝るって俺は理性を抑えられるのか!?その自信はあまりない…。

「それは全部過去の話だろ…?」

「はぁ~…私にはそんな過去のひとつもふたつも無いのよ…。だからなおさら劣等感というか…。
こんな事になるのならば一度くらい男性と付き合っておくべきだった…。そうしたらこんな気持ち抱く事もなかったかもしれないのに。」

「いや俺は嬉しいけど…」

つまりそれは、菫にとって全ての初めての男が俺になるって事だろう?

それはそれで嬉しいのだが……。と、考えるとさっきのキスだって?まさかファーストキス?
あぁそんな事嬉しすぎるんだけど訊けない。怒られそうだし何より無神経な気がする。


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