【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
「とーちゃんからだ…」
「おじちゃんから?なんだって?」
「かーちゃんは大丈夫だって話。つーか朝からかーちゃん自身から電話があってギャーギャー騒いでたんだよッ。
良性の物だし経過観察にするって。大体入院なんて大袈裟だったんだってばーッ。もぉ~…」
「そうおばちゃん大丈夫なのね。それは安心したわ。」
菫は心底安心したような顔をして笑った。
俺のかーちゃんの心配を俺と同じようにしてくれる。それはやっぱり幼い頃からずっと一緒にいたせいだと思うけど。
「あ、そういえばかーちゃんと言えば言い忘れていたけど、実家に帰った時に菫のかーちゃんに会ったんだ。
そしたらおばちゃん、菫が俺んちにいるって知ってたぞ?」
「えぇ?!」
思わず驚きベッドから飛び跳ねる。かなり焦った顔をしている。
「お母さん…そんな事一言だって言ってなかったわ…。
って、それじゃあお父さんにもバレてる?!」
焦ったように俺の顔を覗き込む。
「俺のとーちゃんとかーちゃんもおばちゃんから聞いてたみたいで知ってた。
何も知らないのはおじちゃんだけだってさ。それもそれで可哀想ではあるけれど…」
菫はその言葉に視線を落とし、何かを考え込むようだった。
「でもおばちゃんには何故か応援されたけど、菫をよろしくって。おばちゃんは菫には菫らしく生きて欲しいってさ…。
つーか俺の両親は大賛成してたし…」
「そうなの…。お母さんがそんな事を…。やっぱり私1回帰るべきなのだわ…。きちんと話してお父さんにも納得してほしいもの。
ねぇそうして許しを得たら…ここに戻って来てもいいのよね?私は…
何度も訊くようで嫌なんだけど」