【完】Dimples 幼馴染のキミと僕
「…そんな真剣に訊かないでよ…。
そりゃあ潤くんはこんな面倒臭いねーちゃんを選んだんだから心の広い男だとは思うけどさ……」
「そうね、そうよね。潤はきっとモテるわよね。昔の恋人の写真も見たけれど綺麗な人だったわ…。取られるとか全然考えてなかったけど…。
それに潤がかっこいいのは知っているわ。大地知ってる?モデルをしている時の潤は王子様みたいなの。まるでアニメとか映画から飛び出したみたいな。
それにすごく優しいのよ。いえ、優しいのは昔からなのね。勝手に潤が変わってしまって遠くに行ってしまったと思ったのは私だけなの。
今も昔も変わらずに優しいの。見た目だけじゃなくて中身も王子様なのッ」
余りの必死さに呆れかえったのか、大地はハンドルを握りながら苦笑する。
「俺は惚気を聞かされているのか…。
まぁねーちゃんはしっかりしているように見えて間抜けで鈍感な所があるから、相手が潤くんで安心するよ。それじゃー新手の詐欺師に直ぐにひっかかりそうだ。
まぁそれだけ惚れ込んでて一緒にいたいと言うなら貫き通すべきだよ。お父さんが何といおうがさ。
それにあの人は嫉妬してるだけでしょう」
父の事を考えると、頭が痛い。母や大地は理解を示してくれているようだが、父は私が思っているよりずっと頑固なようだ。
「お母さんの言う通り、お父さんって苦労してきた人だから…余計にね。潤くんのように恵まれているのにそれに反して自分の生きたい道を選んでる人が羨ましいんじゃないかな?」
「そうなの?」