【完】Dimples 幼馴染のキミと僕

「これから彼女と約束あるからー!それにしてもかっこいいマンションだねー。何か変わってて潤くんらしいや。まぁそんな変わり者の潤くんだから変わり者のねーちゃんの相手してられんだろーけど。
じゃーね!また何かあったらいつでも相談してよ」

「うん。送ってくれてありがとう」

「今日の事はちゃんと潤くんに相談するべきだよ?またねーちゃんの事だからひとりで考え込んだりしそーだし。
付き合っているんならそれはもうねーちゃんだけの事じゃないんだから」

図星をつかれて苦笑い。確かに私は父が大反対した事を潤に言わずにいようと思っていた所。

単純な私の脳みそは子供だとばかり思っていた弟にさえ見抜かれるほど。

確かに私の父の事だけど、私だけの問題ではないわね。

でも父が潤の事を道楽息子だと言い冒涜した事を彼に伝えるつもりはないわ。私は潤の考えている事を尊敬しているし、すごい事だと思っている。勿論洗脳などされていない。

自分の目で見て、潤の人間性を分かっている。

そんな潤は家に着くなり、反対されただろうと分かっていたように苦笑いする。私も私で嘘をつけない性格で、思っている事が直ぐに顔に出てしまうから浅はかな考えなどバレバレなのだ。


ダイニングテーブルの上には、夏らしい素麺が用意されていた。

ガラスの器の中で透明の氷が涼し気に泳いでいた。食欲は余りなかった所だから、ちょうど良いわ。どうして私が浮かない顔をして帰って来るって気づいていたのかしら?

あなたは魔法使いだから、全てはお見通しなんだろうけれど。


素麺をすすりながら潤はゆっくりと口を開く。



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